初級編の内容

- 田んぼの生きもの調査・初級編では、まず生きものや土に触れる「経験」を通じて田んぼの楽しさや豊かさを知ってもらうことに重点をおいています。食育・環境教育などに生かしながら、将来的には地域に環境を守る農業を広げることを目指します。また、交流会などを活用して、多くの方との交流も実現しています。
![[step1]ラインセンサス](../images/title02_step01.gif)

- 田んぼの端から端まで、稲3条分(幅約0.9m)を見ながらゆっくり歩きます。早く歩いてはいけません。現れた生きものをミニ水槽に入れ、後で参加者同士で見せ合います。「田んぼのめぐみ150」の記録用紙に見つかった生きものを記入します。
ラインセンサスはゆっくり歩き、1mmのミジンコにまで、まなざしを向けます。
必要な道具
金魚網、ミニ水槽、記録用紙
道具の詳細はこちら
![[step2]ランダム調査](../images/title02_step02.gif)
- 土のなかの生きもの、あぜの生きもの、水路の生きもの、空の生きものなど、幅広く観察します。

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土のなかの生きもの調査
金魚網、または洗濯網に田んぼの土をとり、水で泥をすすぎます。残った砂と生きものをバットに広げ、水を入れて観察します。

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水路の生きもの調査
タモ網で水路の生きものを採取します。また、カゴ網に餌(練り餌など)を入れ、1?3時間後に入っている生きものを調べます。魚撮影用水槽に入れて観察・撮影します。
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その他
空を飛ぶ鳥、畦のチョウ、カエル、バッタ類など幅広くまなざしを向けます。
必要な道具
金魚網、ミニ水槽、記録用紙
道具の詳細はこちら
国際化が進み農産物の価格競争はいっそう激しくなり、国内の農家にとって厳しい時代が続きます。しかし、本来の農には、環境や生物多様性を守るという大切な役割があります。そのような時代のなか、消費者が環境を守る農家を理解し、農産物そのものの価値に加えて、環境を守る役割への対価を支払う「直接支払い」の導入が早急に望まれています。しかし、この新しい運動「直接支払い」に対する人々の理解は進んでいません。そこで、国民的合意を形成するためにも、生産者が「行動規範」のひとつとして積極的に生きもの調査の活動を行い、一方で、消費者が「行動規範」として「環境直接支払い」を行う新しい取り組みが必要となっています。
これまで「田んぼの生きもの調査プロジェクト」(任意団体)として活動を続けてきましたが、生きもの調査活動の啓蒙普及と支援、生物多様性農業に係る人材の育成、環境直接支払いなどの活動を、広く国内に、そしてアジア全体に展開することを目指して、生物多様性農業支援センター(NPO法人申請中)として再出発いたします。
役員
- 理事長
- 原 耕造
- 常任理事
- 12名
- 理事
- 7名
- 監事
- 2名
- 事務局
- 2名
団体会員
- JA
- JA全農
- 生協
- パルシステム生活協同組合連合会、生活クラブ生協連合会、東都生協、コープ自然派
- 調査研究団体等
- NPO法人 田んぼ、NPO法人民間稲作研究所、NPO法人農と自然の研究所
- その他多数
事務所所在地
本部
〒194-0293
東京都町田市相原町4771
TEL:042-711-7015
FAX:042-711-7016
生きもの調査の進め方

活動の歩み
- 2004年度
- 前身団体、「田んぼの生きもの調査プロジェクト」として4地域の産地(生協パルシステムと提携)で生物多様性農法の試験栽培と「田んぼの生きもの調査」が始まる。「NPO法人メダカのがっこう」の手法、指導を得る。
- 2005年度
- 生協グループが4生協に増える。それぞれの提携先、土地改良区など15地域の調査に活動が広がる。「田んぼの生きもの調査プロジェクト」結成。「統一研修会」実施(東京都)。
- 2006年度
- 4道県、25地域、100調査に活動が広がる。
「統一研修会」実施(東京都、兵庫県)。
- 2007年度
- 18県、31地域で活動を行う。
「日韓中田んぼの生きもの調査交流」を行う(栃木県)。
- 2008年度
- 5月22日、生物多様性農業支援センター設立総会。
12月4日、NPO法人認証
12月24日、特定非営利活動法人登記。社会法人等番号0123-05-001422
農に根ざした地域の伝統文化を守り、総ての経済活動に優先する地球環境問題へ取り組む農業を支援します。さらに、生きもの調査に基づいた農業を通じ、人間中心の考え方から脱却し、生きものと一体となった地域社会の価値観を創造します。
生物多様性農業支援センターは、目的を共有化する農業者(林業、漁業も含む)、生産法人、市民、消費者団体、自然保護団体、地域活動家、教育活動家、環境NPO、行政、JA、学識者などがテーマ別に幅広く連携、協働していくネットワークの核となることを目指します。更に、CSR活動を展開している民間企業とも提携し、人と生きものに優しい農業と活動の輪を広げていきます。
ロゴの由来

ロゴマークのBASCは、生物多様性農業支援センターの英語標記「Biodiversity Agriculture Support Center」の頭文字を意味します。田んぼの生きものの象徴として、また生物多様性農業の象徴としてカエルのデザインを取り入れています。
WEHAB(ウイハブ)とは

2002年に開催された「ヨハネスブルク・サミット」(持続可能な開発に関する世界首脳会議)でのキーワードとして提唱されたものです。持続可能な社会作りを進める上でなくてはならないものがWEHAB。私たち生物多様性農業支援センターのホームページアドレスや、メールアドレスにこの大切なキーワードを使用しています。
経済性を求めた農業の弊害

- 水田など農地では化学肥料や農薬が多用され続けた結果、地力の低下、地下水の汚染、生態系の破壊など環境への影響がはっきりと目立つようになりました。
よりたくさんの化学肥料を使わなければ収穫できない、強力な殺虫剤を使わなければ害虫が減らない、ということもおこり農業生産に支障をきたすまでになっています。
実際田んぼでは、「昔いたメダカが全滅した」「トンボが飛ばなくなった」「土が貧しくなった」という生態系の変化が顕著に出始め、農家の人もいよいよ危機感をつのらせるようになりました。
生きものの視点から農を見直す

- 農薬や化学肥料を多用する田畑では、害虫を食べるクモやカエルが減り、土を耕すミミズが減り、ますます強力な農薬と化学肥料が必要になるという悪循環。こうした農地はわずか数十年で不毛の地になってしまうといわれています。 そんななか、私たちは、「田んぼの生きもの調査」という手法を用いて、これまでの農薬や化学肥料を多用する「人間中心」「効率優先」の農業から視野を広げ、「生きものの視点」から、農業やくらしのありかたを見直すことを目的として活動しています。
調査を通じて広がる生物多様性農業

- 前身団体の「田んぼの生きもの調査プロジェクト」以来、土を耕し雑草を抑えるイトミミズ、害虫を盛んに食べるカエルをはじめ、田んぼの生きものの力を見直し、生物多様性を高めた水田と、慣行栽培の水田で比較調査を行ってきました。 「生きもの調査」という共通手法によって、生産者・消費者がともに参加する調査が続けられ、参加者は年々増え続けています。2007年度は全国100調査地を超えるまでに活動の輪が広がっています。
中級編の内容

- 調査結果を実際に農業に役立てることを視野に入れた中級編では、主に農家の方や農業関係者、専門家の方などを対象にしています。田んぼの生物多様性を高める農法を通じて未来の農業活性化を模索します。調査データは初級の「何がいたか」から一歩進んで「どれだけの密度でいたか」まで調査します。


- 栽培品種や肥料の与え方、耕し方、水の張り方、農薬の使用頻度などを基礎調査用紙にしたがって、田んぼの持ち主に幅広く聞き取ります。
必要な道具
基礎調査用紙


- 水温、pH(ピーエッチ、酸性・アルカリ性)などを測定機器で調べます。田んぼに生きものが増えると、土や水の性質が変わります。調査地点5点(図参照)を決めます。ポールなどで目印をつけるとより正確です。 調査地点で、緯度経度、気温、水温、pH、EC、DO、ORPを器具を使って測定します。
※器具は使用前にキャリブレーション(基準あわせ)を済ませます。
※詳しい使用法は器具に付属のマニュアル参照ください。
必要な道具
GPS(緯度経度)/水温計/気温計/pHメーター(酸度)/ECメーター(電気伝導度)/
DOメーター(溶存酸素)/ORPメーター(酸化還元電位)
道具の詳細はこちら

- 田んぼの土を耕して雑草を防いでくれるイトミミズやユスリカを調べます。田んぼの土を少し取り、面積あたりの匹数を調べます。土のなかの生きもの調査には「コドラート調査」と「イトミミズ・ユスリカ調査」の2種類があります。
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コドラート調査
- .生息環境調査と同様に、5か所の調査地点を決めます。
- 20cm×50cmの枠(コドラート)を稲株の間に置き、表層2cmの土を網ですくいます。
- 網で土をゆすぎます。
- 網に残ったサンプルを、白いバットに少しずつ取り分け、出現する生きものを記録します。
- 出現数を1万倍して10アールあたりに換算します。

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イトミミズ・ユスリカ調査
- 生息環境調査と同様に、5か所の調査地点を決めます。
- .球根植え器(土堀り君:直径7.3cm)、を使い表層10cmの土を取ります。
- 網で土をゆすぎます。 4.網に残ったサンプルを、白いバットに少しずつ取り分け、出現するイトミミズとユスリカを記録します。
- 出現数を25万倍して10アールあたりに換算します。
必要な道具
20cm×50cmの枠(コドラート)/球根植え器(土掘り君:直径7.3cm)/
網(目が細かくて丈夫なもの)/バケツ/白色のバット/ピンセットまたは爪楊枝/図鑑
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- 害虫を食べてくれるカエルがどれだけ住んでいるかを調べ、あぜ100m当たりの匹数に換算します。まず、田んぼのあぜ、できれば東西南北で調べます。メジャーであぜの長さを測定します。あぜをゆっくり歩き、田んぼの内側、稲株三条分までに出現したカエルの数をカウンターで数えます。可能であればタモで捕獲して種を確かめます。
必要な道具
タモ網/カウンター/
メジャー(50m程度まで測れるもの)/
図鑑(カエル)/
観察用のプラスチックケース/ルーペ
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- カエルと同様、害虫を食べてくれるクモの数を調べます。獲る餌に得意・不得意があるので、網を作る種類、網を作らない種類に分けて数えます。稲20株を観察して、現れたクモの種類と数を記録します。10か所(200株)を調査して平均値をとります。
必要な道具
カウンター/図鑑
道具の詳細はこちら


- 田んぼ周辺の水路の魚類などを調べます。
- .調査票へ調査地区名や調査日を記入します。
- .水路に練り餌を入れたもんどりを仕掛けます。1?3時間後に入っている魚を調べ、小水槽に入れてデジカメで記録します。
- 定置網を使用する場合は12?24時間前から仕掛けておきます。
- タモで水路をすくって魚や貝を採取してもよい でしょう。
必要な道具
もんどり/練り餌/定置網(あれば)/タモ/観察用小水槽/デジタルカメラ
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